気圧の変化を感知するセンサーは、実は耳の中にあるかもしれない。
「台風が近づくと頭が重くなる」「天気が崩れる前に、なんとなく体がだるい」——そう感じたことがあるなら、それは気のせいでも大げさでもない。気象病と呼ばれるこの不調は、内耳にある小さな器官の反応と関係していると考えられている。まずはセルフチェックで、自分の不調のタイプを知ることから始めたい。
なぜ気圧の変化で不調になるのか——内耳の気圧センサー
愛知医科大学の佐藤純教授らの研究によると、気圧の変化を感じ取っているのは、耳の中の「内耳」にある「耳石器」という器官だと考えられている。耳石器は本来、体の傾きや加速度を感知するための器官だが、気圧の小さな変化にも反応することがわかってきた。気圧が変わると耳石器からの信号が乱れ、自律神経のうち交感神経が優位になりやすくなり、頭痛やめまい、気分の落ち込みにつながると考えられている。佐藤教授は、愛知医科大学病院に日本で初めてとされる「気象病外来」を開設した人物でもある。
台風や梅雨明け前後など、気圧が短時間で大きく変動する時期に不調を感じやすいのは、気合いや体力の問題ではなく、この小さなセンサーが敏感に反応しているためだとも言える。
日本文化の視点|衣替えという、季節を区切る知恵
日本には古くから「衣替え」という習慣がある。季節の変わり目に衣服だけでなく、部屋の設え(しつらえ)や身の回りの道具まで一新し、体と暮らしを新しい季節に合わせて整え直すという発想だ。単なる衣服の入れ替えではなく、「季節が変わった」という区切りを、暮らし全体で意識的に作る知恵だったとも言われている。
気圧や気候が不安定なこの時期は、体だけでなく空間の側も、季節に合わせて整え直すタイミングだと捉えることができる。衣替えのように、香りや部屋の空気を入れ替えることも、気持ちを切り替える一つの区切りになる。
セルフチェック|自分の不調タイプを知る
頭痛・重だるさタイプ
- 雨や台風の前日から頭が重くなる
- 気圧の変化がある日は、肩や首まで重だるい
- 頭痛薬を飲んでもすっきりしないことが多い
めまい・ふわふわタイプ
- 天気が崩れる前後に、立ちくらみやふわふわ感がある
- 乗り物酔いしやすい方だと感じる
- 耳の詰まった感じやこもった感じを覚えることがある
気分の落ち込みタイプ
- 低気圧の日は理由もなく気分が沈む
- やる気が出ず、いつもより眠気が強い
- 天気予報で雨マークを見ると、それだけで少し憂うつになる
対策|タイプ別の整え方
頭痛・重だるさタイプには「耳まわりを温める」
耳の後ろから首筋にかけてを蒸しタオルなどで軽く温めると、血流が促され、こわばりが和らぎやすいと言われている。
めまい・ふわふわタイプには「換気と姿勢のリセット」
室内の空気がこもっていると感じたら、まず窓を開けて空気を入れ替える。長時間同じ姿勢でいることも負担になりやすいため、こまめに体を動かす時間を作る。
気分の落ち込みタイプには「香りで気持ちを切り替える」
理由のはっきりしない気分の落ち込みは、無理に原因を探そうとするより、香りなどで意識を切り替える方が楽になることがある。衣替えのように「今日から気分を切り替える」という小さな儀式を持つとよい。
香りで整える
気圧や天候の変化で乱れがちな自律神経を整えるセルフケアには「No.17 Deep Reset」が合わせやすい。デジタル機器による疲れだけでなく、天候による自律神経の負荷にも寄り添うように設計されている。この夏発売の「No.17 Deep Reset」バスソルトを使い、足湯からゆっくり整える時間を作るのもよい方法だ。バスソルトを見る
まとめ
- 気圧の変化を感知しているのは、耳の中の「耳石器」だと考えられている
- 気圧の乱れは自律神経のうち交感神経を優位にし、頭痛やめまい、気分の落ち込みにつながりやすい
- 日本の「衣替え」には、季節の変わり目に体と空間を整え直すという知恵が込められている
- 頭痛・めまい・気分のタイプに合わせて、温め・換気・香りなどのケアを選ぶとよい
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参考:気象病・天気痛に関する医学的知見(愛知医科大学 佐藤純教授の研究)、自律神経とストレス反応に関する一般的知見、日本の衣替えにまつわる民俗文化