「今日はカメラオフでもいいですか」「会議が終わった瞬間、どっと疲れが出る」——在宅勤務やオンライン商談が当たり前になった今、こんな声を聞くことは珍しくない。移動もせず、椅子に座っていただけなのに、なぜか対面の打ち合わせよりも消耗する。オンライン会議の疲れは気のせいではなく、画面越しという環境そのものに理由があると考えられている。
なぜオンライン会議は疲れるのか
アメリカ・スタンフォード大学のジェレミー・ベイレンソン教授らが2021年に発表した研究では、いわゆる「Zoom疲れ」の背景にある要因がいくつか整理されている。中でも意外なのが、「自分の顔がずっと画面に映り続けていること」自体が疲労の原因になりうるという指摘だ。人は自分の姿を映した鏡を見続けると、無意識のうちに自分を評価し監視するような感覚に陥りやすいとされ、一日中「合わせ鏡」の前に座っているような状態が、対面では起こらない独特の消耗を生んでいると考えられている。
あわせて、画面いっぱいに映る相手の顔と近すぎる距離感、話していない間も常に見つめられているように感じる視線の圧、体をほとんど動かせない姿勢の制約なども、複合的に負荷をかける要因として挙げられている。「気合いが足りない」「慣れの問題」ではなく、画面越しのコミュニケーションという形式そのものに、脳と自律神経への負荷が組み込まれている、という見方だ。
鐘の音で一年の煩悩を祓うという発想
日本には、大晦日の夜に寺院の鐘を108回つく「除夜の鐘」という行事がある。この108という数字は、人には108の煩悩(心を乱す迷いや欲)があるとされることに由来し、鐘が一つ鳴るごとに一つの煩悩が祓われ、清々しい気持ちで新しい一年を迎えられると伝えられている。由来には諸説あり、感覚器官や心の状態の分類を掛け合わせて108になるという説など、いくつかの数え方が伝えられている。
会議中に画面越しに向き合った緊張や、気づかないうちにためこんだ視線の圧は、除夜の鐘のように意識的に区切りをつけない限り、そのまま次の予定へ持ち越されてしまう。一年の終わりに煩悩を一つずつ鳴らして手放すように、会議の一つひとつが終わるたびに小さな区切りの所作を挟むことが、画面越しの疲れをためこまないための一つの知恵になる、と考えられている。
オンライン会議の疲れを持ち越さない対策
自分の顔を非表示にする
多くの会議ツールには、自分の映像を非表示にする、あるいは小さく縮小して表示する設定がある。相手には見えたままでも、自分の目に入る「合わせ鏡」の情報量を減らすだけで、感じる負荷が変わってくるといわれている。
会議と会議の間に画面から目を離す
予定を詰め込まず、1つの会議が終わったら数分だけでも画面から視線を外し、遠くの景色や窓の外を見る時間を挟む。視神経の緊張をほどくだけでなく、対人的な緊張が続いた気持ちを一度ゆるめる意味合いもある。
会議の前後で香りを変える
「この香りがしたら仕事モード」「この香りがしたら終わり」というように、香りを場面の切り替えスイッチとして使う。視覚や聴覚に比べて、香りの記憶は感情と結びつきやすいとされ、切り替えの合図として取り入れやすい。
一日の終わりに区切りの所作を持つ
パソコンを閉じる、部屋の換気をする、香りを焚くなど、小さくてもいいので「今日はここまで」と体に教える所作を一つ決めておく。除夜の鐘のように、区切りを外側の行動として形にすることが、気持ちの切り替えを助けてくれる。
香りで整える
デジタル環境からくる負荷をやわらげる香りとして仕立てられたのがNo.17 Deep Reset。会議が続いた日の合間や、一日の終わりに香りを立ち上げることで、画面を見続けた緊張から気持ちを切り替えるセルフケアの習慣として取り入れやすい。夏に登場したバスソルト「No.17 Deep Reset」も、足湯や入浴を通して同じ香りで一日を締めくくりたいときに向いている。Resetシリーズを見る
まとめ
- オンライン会議の疲れは気のせいではなく、画面越しという環境そのものに由来すると考えられている
- 「自分の顔がずっと映り続けること」が独特の消耗を生む一因とされている
- 除夜の鐘のように、区切りをつける所作を意識的に挟むことが疲れをためこまない知恵になる
- 香りを場面の切り替えの合図として使うのも、セルフケア習慣の一つになる
画面越しの時間が積み重なって疲れを感じているなら、パソコン作業で疲れが取れない理由|自律神経を整える香りの習慣や、集中してPCを見た後に頭痛がする理由|電磁波ケアと香りで整える習慣もあわせて読んでみてほしい。
参考:ビデオ通話における非言語コミュニケーションの負荷に関する認知科学・人間工学分野の研究、および日本の年中行事に関する民俗学的知見を参考にしています。