「刺激的なことは大好きなのに、家に帰ると電池切れみたいにぐったりする」
新しい場所に行きたい、知らない人と話してみたい、旅行やイベントにも積極的に飛び込みたい。なのに、その数時間後にはもう指一本動かせないくらい疲れている。こういう「好奇心の強さ」と「繊細さ」が同時に存在するタイプは、HSS型HSPと呼ばれています。自分でも「刺激が欲しいのに、刺激に弱い」という矛盾に戸惑い、周りからは「そんなに楽しそうにしてたのに、なんで疲れてるの」と理解されにくいことも多くあります。これは性格の気まぐれさではなく、二つの神経的な傾向が一人の中に同居していることから起きる、構造的な現象です。
なぜHSS型HSPは疲れるのか
HSSとは「High Sensation Seeking」の略で、新しい刺激や変化、リスクのある体験を求める気質のことです。一方でHSP(Highly Sensitive Person)は、感覚刺激を人より深く処理する気質を指します。この二つは本来まったく別の軸にある特性ですが、心理学者エレイン・N・アーロンの調査では、HSPのうちおよそ3割ほどがこのHSSの傾向も併せ持つとされています。
つまりHSS型HSPの中では「新しいものに向かっていきたい」という探索のシステムと、「入ってきた情報を隅々まで処理してしまう」という感覚処理のシステムが、同時に動いています。片方はアクセルを踏み、もう片方はすべての情報を丁寧に読み取ろうとする。行動したい気持ちと、処理に追われる感覚が同時に発生するため、「気合いが足りない」「飽きっぽい」といった話ではなく、もともとの神経の設計として疲れやすい組み合わせだと理解しておく必要があります。
アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態
HSS型HSPの神経の状態は、アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいる車にたとえるとわかりやすくなります。好奇心のシステムは常に「もっと先へ」とアクセルを踏み込み、新しい体験や情報を求め続けます。同時に感覚処理のシステムは、目に入るもの、聞こえてくる音、その場の空気まで一つひとつ丁寧に読み取ろうとする、精密なセンサーのように働いています。
車が全力で前に進もうとしながら、同時に全力でブレーキを踏み続けていれば、エンジンにも部品にも大きな負荷がかかります。HSS型HSPの疲れやすさも同じ構造で、「動きたい」という推進力と「感じ取りすぎる」という制動力を同時に使い続けているぶん、同じ時間を過ごしても消費するエネルギーが人より大きくなりやすいのです。楽しかった予定のあとに強い疲労が来るのは、その両方をフルに使い切った結果だといえます。
HSS型HSPの疲れへの対策
刺激と回復をセットで予定に組み込む
刺激的な予定を入れるときは、その直後に何も入れない時間もあわせて確保しておきます。「行動」と「回復」を一つのセットとして扱うだけで、疲労が翌日以降に持ち越されにくくなります。
一人で過ごす時間を先に確保しておく
予定を詰めてから休憩を探すのではなく、先に「この時間は一人で過ごす」という枠を確保してから、そのまわりに予定を組み立てます。回復の時間を後回しにしないことが、電池切れを防ぐ鍵になります。
新しい環境には慣らし運転をする
初めての場所や大勢の集まりには、いきなり長時間参加するのではなく、短時間だけ顔を出す、途中で退席できる予定にするなど、段階的に負荷を上げていくやり方が向いています。
「楽しかったのに疲れた」自分を責めない
刺激を楽しむ気持ちと、疲れてしまう体は矛盾していません。両方とも同じ神経の特性から起きている自然な反応なので、疲れを感じた自分を「またダメだった」と責める必要はありません。
神経を整える香り
HSS型HSPには、状況に合わせて香りを使い分けることもおすすめです。新しい環境や変化に飛び込む前には、抵抗感をやわらげてくれるNo.10 Clean Energy(クリーンエナジー)。刺激的な予定を終えたあと、情報や刺激を処理しきれずに残っている感覚には、No.17 Deep Reset(ディープリセット)が、頭の中の処理を落ち着けてくれる香りとして役立ちます。自分の状態や場面に合った一本を知りたい方は、HSPシリーズもあわせてご覧ください。
まとめ
- HSS型HSPは「刺激を求める気質」と「繊細に処理する気質」が同居するタイプで、HSPのおよそ3割にみられるとされている
- 行動したい推進力と、感覚を処理する制動力を同時に使うため、通常より疲れやすい構造になっている
- 刺激と回復をセットで予定に組み込み、一人時間を先に確保しておくことで疲労の持ち越しを防げる
- 「楽しかったのに疲れた」のは矛盾ではなく、両方とも同じ神経特性からくる自然な反応
自分がどのくらいHSP的な特性を持っているか気になる方は、HSPセルフチェック|あなたの特性を確認する(23問・自動判定)もあわせてご覧ください。HSPと神経系の関係についてより詳しく知りたい方には、HSPがストレスを感じやすい理由|神経系の仕組みから理解するもおすすめです。
参考:Aron, E. N. (1996). The Highly Sensitive Person: How to Thrive When the World Overwhelms You. Aron, E. N., Aron, A., & Jagiellowicz, J. (2012). Sensory Processing Sensitivity: A Review in the Light of the Evolution of Biological Responsivity. Personality and Social Psychology Review.
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